ESP柴田直人モデル【フレット交換前編】
指板調整
フレットをすべて抜く。
ストレートゲージにて反りの状態を確認
◯3フレット近辺から反りが始まっている
◯指板エンドが反りの頂点
◯8フレット付近で最大の反り(反り幅約0.5mm)
指板Rを計測
◯ナットで【7.25"R】
◯7フレットで【7.25"R】と【9.5"R】の間
◯最終フレットで【7.25"R】と【9.5"R】の間
◯指板エンドで【9.5"R】
計測値の通り、本来は指板Rはすべて7.25"Rだったと推測されますが、経年変化(木の収縮)によって指板中程のRが緩やかになっていました。
ネックの厚みを計測
◯ナット【21mm】
◯最終フレット【26mm】
◯ツバ出し部分の中央【6.9mm】
各測定値からの考察と対処方法
・切削幅が【0.5mm】〜【1.0mm】を予測
・最大1mmを切削した場合、サイドポジションマークに到達のおそれがある
・ツバ出し部分の強度不足
◯以上の理由から対策方法
・(図1)指板サイドの厚みを残す為、指板Rを【9.5"R】〜【12"R】へのコンパウンドラジアス(円錐形)にて切削
・(図1-a)指板サイドを残して指板R部分のみ切削
・(図2)ツバ出し部分の厚みを残す為、ナット部分をおおきく切削
・(図3)指板調整で逆反りに切削する事は不可能なのでオーバーサイズのフレットにて逆反りの状態を作る
指板調整
◯指板エンドをサンディングブロック(12"R)で切削
◯ナット付近をサンディングブロック(9.5"R)で切削
◯マーキング
◯ストレートブロックにて全体を切削後に状態を確認
◯ナット付近
◯指板エンド付近
◯コンパウンドラジアスを切削
上記の作業を繰り返し行い、最後にストレートブロックでサンディング。
◯指板上のストレートが完成
◯専用のデプスゲージでフレット溝を確認
◯1フレットのみ深さが足りず専用ノコで修正
◯番手を細かくして指板表面を仕上げる