Gibson J45 前編
お世話になっている先輩ミュージシャンのJ45。1950年代と記憶しております。
わたし自身も何十年とこのギターの音を間近で聴いているため、すっかり基準のJ45に(もしくはビンテージGibsonの基準)なってるほど。
しかしながら似た音色の同モデルには未だ出会ったことがないというなんとも他人の所有物ながら興味深いギターです。
ビンテージ楽器の取り扱いには慣れているものの、「現代の技術でしっかり」直すと「あの音」が失われる可能性があるため、慎重にならざるを得ない作業でした。
ブリッジ
◯ブリッジ割れの状況
◯1弦側はトップベリーの部分で分離しています
◯原因は明白でこのアジャスタブルサドルはスタッドとアンカーのネジ切りがルーズなためです
◯画像の様にスタッドボルトが前傾する程にガタつきがあります
◯サドルがネック側に押されるため必ずこの部分にストレスがかかります
◯ブリッジをヒーターとスチームで剥離
◯歴代の各種接着剤が地層の様に硬化しているのがわかります
◯画像左端、ブリッジ固定用ネジの穴にもワッシャー(手作り?)が埋まっています
◯この過去のリペアで固定用ネジが外れませんでした
◯破壊する事なく1弦側はなんとか除去
◯次は6弦側の固定用ネジ
◯ドットを剥がす
◯接着剤を除去
◯固定用ネジを取り外す
◯アンカーボルトを取り外す
◯ブリッジ6弦側もしっかり割れています
◯さてこのトップ板の傾斜。直すべきかこのままにするべきか
新規ブリッジ作製
◯ハカランダ材にてブリッジを先製
◯画像の様にサドルスロットを斜めに取り付ける計画
◯各部傾斜を計測
◯サドルスロットに約3°の傾斜をつける
◯ジグに材をセット
◯トリマーで切削
◯各種位置を計測して罫書線をいれる
◯斜めカットは成功
◯オリジナルを元にバンドソーでカット
◯ベアリングビットでアウトラインを切削