Morris W-30
非常に年季の入ったMorris W-30
大切に使われてきている様ですがフレットがかなり消耗しています。
その他全体的にオーバーホールといった内容となりました。
テェック時にボディバック接合部に剥がれた箇所がありましのでそちらも併せて修正していきます。
状態
◯ローフレットを中心に消耗しています
指板Rを計測
◯先にオリジナルの指板R【12"R】を計測
◯目痩せによりフラット気味になっています。
フレットを抜く
◯ヒーターをあてながらフレットを抜く
◯フレットをすべて抜く
指板調整
◯状態の確認のため表面をサンディングブロックにて少しならす
◯14フレット近辺を中心に指板の歪みを確認
◯ストレートゲージと指板の隙間が歪んでいる箇所
◯サンディングブロックにて修正
◯マーキングして歪んだ箇所を中心に切削
◯さらに全体に指板調整してストレートを出す
ストレートの確認
◯ストレートゲージで隙間が無いことを確認
指板表面の研磨
◯指板表面を研磨
◯画像は仕上げ(ペーパー#120→#2000)の過程
フレットスロットのクリーニング
各部計測
◯各指板R【12"R】を確認
◯フレットスロットの深さを確認
フレットプレス
◯フレットをプレス
◯プレス完了
◯余分なフレットをカット
◯ベベルカット
◯すり合わせ箇所をマーキングしてすり合わせ作業
◯専用のファイルでフレットの頂点を成型
◯フレットエッジを成型、研磨
◯さらにゴム砥石で成型、研磨
◯研磨して完了
ナットの取り付け
◯ナットの取り外し
◯接着面の整地
◯ナットの成型
◯弦溝を切削
◯表面を研磨して完了
サドルの取り付け
◯元のサドルの状態
◯弦の接地面が消耗している
◯サドルを切り出す
◯指板R【12"R】にあわせて切削
◯使用弦【13-56】にあわせてオクターブをマーキング
◯マーキングにあわせて切削
ブリッジの成型
◯元のサドルスロットの状態
◯溝の底面が湾曲している
◯底面の整地
◯弦の導出口が消耗している
◯専用のファイルで導出口を切削
◯弦を張って確認
ボディバックの剥がれ
接着
◯カウルをボディ形状にあわせて切り出す
◯今回はトルクが必要なためこのレイアウトにてクランプ
◯隙間無く接着できました
◯ボディ内ライナー部分もしっかり接着しています(画像なし)
研磨
完了
ミディアムゲージ(13-56)で半音下げにてセッティング。
ナット、サドルの材料のコンビネーションをいくつか試した結果、合板ながら豊かなボディ鳴りと音の分離が同居した迫力のある音質になったかと思います。
この先も末長くお楽しみいただければと思います。