Tokai Cat'sEyes【後編】
指板の懸案事項
◯指板調整時に気づきましたが、指板面が1弦側にかなり傾斜していました
◯これによりブリッジ表面を指板面の傾斜に合わせて切削して修正しました
結果的にかなり切削することとなりましたがブリッジの強度は問題ないと考えます。
ブリッジの成型
◯再度スロープを切削・成型
◯ブリッジピンの面取り
◯弦の導出口を切削
◯ブリッジ表面を水研
◯ブリッジの研磨完了
サドルの取付
◯牛骨材(オイル)を切り出して成型
◯オクターブを計測
◯マーキングに合わせてオクターブを切削
◯表面を研磨して完成
ナットの取付
◯牛骨(オイル)を切り出す
◯接着
◯弦溝を切削
◯面取り、研磨して完成
ペグの取り付け
ペグサイズの懸案事項
◯スタンダードなクルーソンタイプをご希望でしたが、ヘッド厚が通常より厚みがありペグポストの弦を通す穴位置がヘッド表面いっぱいでした
◯やむなくパーツを同モデルでポストが可変できるモデルへ変更しました
◯リーマーで取り付け穴を成型
◯ブッシュとペグ本体の取り付け完了
トラスロッドカバーの取り付け
◯スタンダードなベルタイプのカバーは形状から取り付け不可能でした
◯別タイプを切削・成型
◯下穴をあける
エンドピンの取り付け
ボディの研磨
◯塗装面の水研
◯研磨
◯研磨完了
完了
作業を進める毎に次の局面にぶつかるという非常に特殊な内容でした。
新品ながら魅力的な音色が出るところは元々のつくりの良さや目利きで選別した材料からくるものと感じます。
工業製品、こと楽器に関しては少なからず製作者の思いがあるかと考えます。
今回は製作途中のものを引き継ぐ様なかたちとなりましたが、工程ごとに仮組み・音質チェックを行い最終的にこの音色にたどり着けてたいへん安心しました。
この先弾き込んでいただければと思います。