G&L L-1000
アッセンブリーの交換はありますが、Fender PBやMusicman Stingrayの流れを色濃く残す初期G&L L-1000。
フレットの消耗は少ないもののこれから頻繁にご使用とのことで演奏性を重視してジャンボフレットに交換となりました。
フレットの取り外し
◯ヒーターをあてフレットを取り外す
◯指板をストレートな状態にしておく
指板Rについて
◯元の指板R【7.25"R】を各部で確認
12フレット以降は【7.25"】よりなだらかですが、目ヤセによるものと考えます。
指板調整
◯サンディングブロック【7.25"R】にて切削
◯指板の厚みを注意しながら最小限に切削
◯指板表面の研磨
◯指板R【7.25"R】を各部で確認
◯指板のストレートを確認
フレットスロットについて
◯専用のゲージにてフレットスロットの深さを確認
全体的にフレットエッジ(1弦側、4弦側)が浅くなっています。
新しいフレットのタング部分(フレットの木部に挿し込まれる部分)と高さが合いません。
フレットスロットの修正
◯専用のこぎり【厚み0.6mm】でスロットを切削
◯再び専用のゲージにて適切な深さになっている事を確認
フレットの取り付け
◯フレットをプレス
◯不要な部分をカット
◯専用のヤスリで斜めに切削
フレットの成型
すり合わせ
◯すり合わせ箇所をマーキング
◯部分的にすり合わせ作業
◯ストレートブロックとサンディングブロックにて全体的にすり合わせ作業
クラウニング
◯専用のヤスリで平らになったフレットの頂点を丸く成型
フレットエッジの成型
◯エッジヤスリで荒く面取り後にゴム砥石でなめらかに成型
フレットの研磨
◯フレットを研磨して仕上げる
◯完了
ナット交換について
◯ナット材を切り出して厚みを合わせる
◯クランプして接着
◯サイズと弦の位置を大まかに切削しておく
◯指板R【7.25"R】を目安に溝を切削
◯研磨して完了
ブリッジについて
◯ブリッジを取り外す
マウントネジの交換
◯錆びたネジを取り外しステンレス製のネジへ交換
マウントネジの交換
◯メッキパーツを分解して溶液に浸しクリーニング
◯ブリッジを装着後、導通を確認
その他の調整
◯弦高とオクターブの調整
◯塗装面のクリーニング
完了
そもそもの生鳴りがFenderの面影があるため、フレット交換によるアタックの明瞭さがこのベースの特徴を強調させる結果となりました。
アクティブPUながら角張った音像を柔らかいサステインで包んだ様な音質はさながらビンテージ楽器を弾いている感覚です。
シンプルに手に取りたくなってしまうベースだと思います。