Alvarez Yairi AY-65N ブリッジ編
満身創痍といった感のギター。
特にブリッジはひどい変形と剥がれた箇所に接着剤を流し込んだ跡があり新規作成・交換という流れになりました。
ブリッジ
◯ブリッジをヒーターとスチームで剥がす
隙間に充填した接着剤がかなり多いことがわかります。
剥がしてわかったのですがボディトップのブリッジ周辺の塗装割れ部分にもニカワが塗料の様に塗布されていました。
ニカワを隙間に充填したり塗料代わりに塗るとは...まったく勉強になります。
新規ブリッジ作製
◯ハカランダ材にて作成
◯剥離したオリジナルのブリッジを適当に成型
◯オリジナルのブリッジからピン穴位置・スロット傾斜・外周を罫書きバンドソーで大まかにカット
◯ベアリングビットでオリジナルの外周を正確に切削
◯ブリッジ両端の最浅部(3.2mm)をフライス盤にて切削
◯スロープ・ボトム側カーブをスクレイパーなどで切削
◯オリジナルのブリッジの表面R(16")を切削
◯新たに作成したブリッジを仮に固定して外周の型に沿って刃を入れる
◯剥がした接着面の塗装をノミとスクレイパーで剥がす
◯接着面を整地
ブリッジ接着
◯作成したブリッジをクランプして圧着
サドルスロット切削
◯専用台にギターをセット→ボディトップ・指板角度を計測
◯トリマー用ジグをセット→計測したボディトップ・指板角度にジグベースを合わせる
◯切削位置・角度・深さを慎重に決める
◯トリマーにて切削
ピンホール成型
◯専用のリーマーにてブリッジピンホールを拡張
◯専用のビットにて面取り
◯専用のヤスリにて各弦の導出溝を削る
サドルの成型
◯弦との接触面を削りオクターブを調整
◯何度か弦を取り付けながら各部の様子を確認する
◯サドルのRを修正