2018年製 Gibson J45 Mahogany
2018年製J45
落下直後には割れは確認できなかったものの、その後時差があって割れが発生したとのこと。
割れた箇所の木部繊維は整っていましたがどうやら強い力によって「裂けた」ような感があり、指で押さえても割れた隙間がまったく動きませんでした。
この部位はたいへんな負荷がかかる場所なので、接着と補強財での修正となりました。
割れた部分の状態
接着
◯シリンジで接着剤を流し込んだ後にクランプ
◯接着完了
ジグの作成
◯切削する部位に合わせて仕上げRと深度を決定する
◯カウルを作成
◯仕上げRから逆算してトリマーベース用のRを切削
◯ジグをセット
◯溝の切削位置を罫書く
補強材の溝を切削
◯カウルを当てて目測しながら目的の深度まで切削
◯1列目を完了
◯同様に2列目を切削
補強材の作成
◯マホガニー材を溝の幅に合わせて切削
◯溝の形状をマホガニー材にトレースする
◯Rを切削
◯ちなみに補強材の色と木目の模様は切削した本体木目と近いものを選別してあります
◯割れた部分の切削面を見ると接着部位がしっかり閉じている事も確認できます
補強材の接着
◯ニカワにて接着
補強材の切削
◯乾燥後
◯不要な部分をカット
◯さらに不要な部分をカット
◯全体に大まかにカットしておく
補強材の成型
◯スクレーパーで細かく切削
塗装
塗装の剥離
◯加工部分を中心に塗膜を剥離して木地調整
ペグ穴の成型
◯補強材で塞がったペグ穴を専用のリーマーで成型
塗装
◯着色した目止め材を塗布(1回目)
◯同じ作業を繰り返し目的の濃度まで仕上げる
◯着色したクリアを塗装
◯濃度を揃えて完了
研磨
その他の調整
フレットのクリーニング
塗装面の研磨
完了
◯ペグ取り付け・弦取り付け・トラスロッド調整・PUの動作確認をして完了