GreendaleMusic

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1998年製G&L L200


1998年製G&L L2000。

Musicman/Ernieballの系統で、現代的な進化をしたモダンなPBという印象です。

こちらのL2000は非常に人気がありますが木取りの問題からなのか、このようにトラスロッドが調整幅いっぱいの状態でネックが順反りのものが多く見受けられます。

今回は指板調整にてこの問題を修正しました。

指板調整

◯ネックを取り外す

◯指板R(7.25")を計測

◯ナット・フレットを取り外す
◯トラスロッドを緩める
◯ストレートゲージで指板の反りを計測

◯ストレートブロックにペーパーを接着して切削。反りの頂点を確認する

◯切削範囲と切削量が多いため、先にサンディングブロックでネックの両端を部分的に削っていく

◯フレット溝で指板をカットしないように切削量に気を配りながら最大限に切削する
◯ナット付近

◯ネックエンド付近

◯ネックエンド指板の状態
◯フレット溝が浅くなっている事がわかります

◯指板の状態を確認
◯この状態では3フレット〜12フレットで隙間が確認できます

◯再び切削量に気をつけて全体を削っていく

◯ストレートゲージで確認
◯隙間は確認できますが、目的の状態まで切削できました

◯指板面を整える
◯細目のペーパーで切削面を仕上げる

◯指板面R(7.25")を確認

フレットの取付

◯各フレット溝の深さをデプスゲージで確認
◯切削量の少ない7フレット付近【画像上】と切削量の多い最終フレット【画像下】の深さが著しく違います

◯深さの足りない部分(ナット・エンド付近)は0.6mmの専用鋸でカット
◯ガイドを取り付けて慎重にカット

◯溝の深さを確認
◯最終フレットの溝が指板をカットしない深さになっている事がわかります
◯デプスゲージでも適正な深さになっている事を確認
このように深さが足りないフレット溝を修正していきます。
指板両端【0.6mm】と中央部分【0.5mm】の溝の幅を変える事でもネック反りを修正しています。

◯フレットをプレス

◯専用工具ですり合わせ箇所をマーキング
◯部分的にすり合わせをしておく

◯サンディングブロックとストレートゲージですり合わせ作業

◯フレットの成型

◯フレットの研磨

◯フレットのすり合わせ→研磨を時系列で↓
実際には【すり合わせ→研磨】の工程は弦を取り付けて繰り返し行います。

ナットの取り付け

◯ナットを取り外す

◯専用のノミとヤスリで接着剤を取り除き整地

◯弦溝を切削

クリーニング

◯パーツを取り外す

◯希釈した溶液に浸す
実際にはメッキの状態に応じて内容・濃度の違う溶液を使用します。

有毒ガスが発生します。たいへん危険ですので詳細な内容は割愛いたします。

◯研磨

◯ピックアップ

◯ボディ

完了

◯パーツの取付
◯弦の取付
◯トラスロッド・弦高・オクターブ各部調整
修正は順調に完了しました。

ネックは緩やかな順反りでトラスロッドにはまだ調整幅があります。

今回は指板に厚みがあった事、ジャンボタイプのフレットであった事で交換なしで十分な切削ができました。

お持ち込み時には「苦しそうな音」だったのですが、余裕たっぷりな音質に変わり全体に伝わる弦振動を感じられる様になりました。

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