Gibson ES335
1995年製Gibson ES335。
メンテナンスのご相談いただきました。
フレットなどの消耗パーツに大きな問題はありませんが、金属パーツに気になるサビが多くみられます。
また、弦高を低めにセッティングした場合、高音弦にビリつき・音詰まりが発生していました。
コンディション
◯PUカバーの腐食とサビ
◯希釈した薬液に浸す
◯メッキが剥離・変色しない様に様子を見ながら作業します
フレットすり合わせ
◯ネックのストレートを出してマスキング◯専用工具で高さの合っていない部分をマーキング
◯部分的なすり合わせをしたのちにサンディングブロックで成型
*画像はサンディング工程の一部です。
◯フレットの頂点が削られて平面になっています
◯専用のヤスリでフレットの頂点を丸く成型
◯研磨
◯さらに研磨していきます
◯完了
ブリッジ交換
◯元のブリッジが湾曲していました
◯同じABRタイプの新品へ交換
◯各弦の溝を切削
◯研磨剤を塗り、古い弦を擦りつけてヤスリの跡を滑らかにしていきます
◯完了
その他の調整
◯消耗したナットの弦溝を修正
◯Rゲージで確認しながら各弦の高さを調整
各部クリーニング
◯元の状態→研磨後
◯元の状態→研磨後
◯元の状態→研磨後
◯ヘッドについて金属パーツを取り外し薬液に浸す
◯ある程度、緑青など酸化した部分が取れたら完了
◯ヘッド部分を研磨
◯パーツの組み込み
完了
◯弦を取り付けて基本セットアップ【基本セットアップ内容】
・オクターブ調整
・ブリッジ高さ調整
・PU高さ調整
・トラスロッド調整
もともとフレットに消耗がほとんど無く高さも十分でありましたので、切削部分を最小限・最小範囲になる様に気を配りました。
すり合わせ前と比べてフレット高さの差異を感じません。まるでフレット交換をした様な弾き心地に仕上げられました。
弦高は低めにセッティングしましたが、調整前と較べてセミアコらしいリバーブ感や中音域のボリュームが復活しています。
今後弾き込んでいくのが楽しみなギターとなりました。