1974年製FenderJB
1974年製のFender JB。
この年代独特の雰囲気を持つジャズベース。
長年使い込まれていた様でフレット・ナットにかなり消耗が見られます。
Fenderの70年代は音質に関しては年単位で特徴があると思うのはわたしだけでしょうか。
コンディション
◯ナット溝は深く磨耗しています
◯フレットが摩耗しています
◯特にネックジョイント付近(16フレット以降)は音詰まりでほとんど音程が出ていません
◯導通不良によるアースノイズが見られます
◯1弦ペグのシャフトのみワッシャーが欠品
◯弦を取り外すとシャフトが抜けてしまう状態
◯ワッシャーを取り付けて修正
フレット交換
◯ヒーターをあてながらフレットを抜く
◯フレットを抜くと厚く盛られた塗装にダメージが出ます
◯シアノアクリレイト系接着剤でダメージのあるエッジ部を修正
◯塗装の盛り上がったフレットエッジ部を削り取るイメージで指板全体を切削・研磨
◯フレットスロットの修正
◯指板Rを修正後にフレットをプレス
◯エンドニッパーで不要なフレットをカット
◯フレットエッジを斜めに切削(ベベルカット)
◯すり合わせ箇所をマーキング
◯部分的なすり合わせを施す
◯サンディングブロック(ストレート)にて全体的にすり合わせ
◯フレットファイルにて各フレットの頂点を成型(クラウニング)
◯成型後
◯フレット両端をエッジファイルで面取り(ドレッシング)
◯面取りの過程・比較
◯ゴム砥石で滑らかに仕上げる
◯研磨後
◯フレットを研磨
◯完了
画像ありませんがこの後全体にバフ掛けして完了
ナット交換
◯ナット溝の修正
◯専用のノミで余分な接着剤を除去
◯牛骨(オイル)を成型
◯クランプして取り付け
◯フレットの溝切り
◯研磨完了
ブリッジ
◯ブリッジを分解
◯各部動作確認をしながらクリーニング
◯再組み込み
◯取り付け
◯弦アースを確認
◯Rゲージを使ってサドルの高さ調整
アッセンブリー
◯各部動作確認
◯ハーネスをまとめながら再組み込み(画像なし)
◯アウトプットジャックの交換
通常ビンテージ楽器は再ハンダした場合に音質の変化がありますのでお客様とのご相談になります。
こちらはすでに一部アッセンブリーの交換があるため実用性を考慮してジャックのみ交換。
クリーニング
完了
弦を取り付けてセットアップ。
フレットの交換と調整でネックジョイント付近(16フレット以降)の演奏性・音程も格段に良くなりました。
弾いていると時間を忘れてしまうほど良いベースです。